SaGAMeC通信 第202412号(2024年12月01日 発信)
獣医師通信
寒さも本格的になってまいりました。
冬が近づくにつれ、飲水量が減ることで泌尿器疾患のリスクが上がることが報告されています。
そのため、特に飲水量や排尿量のチェックを積極的に行いましょう。
気になることがありましたら、すぐにご相談下さい。
看護師通信
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パッケージには製品ごとに、それぞれ5つの健康サポート機能がございますのでお悩みにあわせてフードを選ぶことができます。
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獣医師コラム
心筋症

心筋症とは、心筋の変性によって心機能障害(心ポンプ機能の低下)をきたす疾患の総称です。心筋症の初期には症状は見られませんが、進行すると咳が出る、疲れやすくなる、失神するなどの症状が現れ、さらに進行するとうっ血性心不全や胸水貯留などから呼吸困難になる、腹水が溜まってお腹が張る、血栓が詰まって足が動かなくなる、血栓や不整脈による突然死などが起こることがあります。
心筋症は原発性と二次性の2つに大きく分類されます。原発性心筋症には拡張型心筋症(DCM)、肥大型心筋症(HCM)、拘束型心筋症(RCM)、不整脈源性右室心筋症(ARVC)、分類不能型心筋症(UCM)に分類されます。二次性心筋症には体高血圧症や甲状腺機能亢進症、全身性疾患などから発症するものや、遺伝性、栄養異常から発症するものがあります。犬ではDCM、ARVCが多く、猫で多いHCM、RCMは犬での発症は稀です。

猫のHCMはいくつかの品種では遺伝性であることが知られており、好発品種としてメイン・クーン、ラグドール、ペルシャ、アメリカン・ショートヘア、スコティッシュ・フォールド、ノルウェージャン、ベンガル、サイベリアンなどが知られています。特にメイン・クーン、ラグドールでは遺伝子の変異が関わっており、若齢時に発症することがあります。
犬のDCMは大型犬に多く、ドーベルマン、ボクサー、グレート・デーン、コッカー・スパニエルなどが好発品種として知られています。ARVCはボクサーに多く発症します。

栄養学的な異常によって二次性心筋症が発症することがあります。タウリン欠乏L-カルニチン欠乏によるDCMの発症が報告されています。かつては市販のフードにタウリンが不足していたためにDCMが発症していたことがありますが、現在市販されているフードには添加されているため、タウリン欠乏性DCMを発症することは少ないと考えられます。さらに近年ペットの健康のために穀物を一切使用しない『グレインフリー』のフードが話題になっていますが、2019年にグレインフリー食とDCMの関連性が報告されました。手作り食や市販のフード以外の食事を与えている場合は、心臓病に対する注意がより必要であり、特に大型犬や心筋症の症例では食餌アレルギーなどの特別な理由がない限りは、手作り食やグレインフリーのフードは避け、食事内容の見直しも大切になります。

心筋症に罹患している犬や猫のほとんどは無症状のことが多く、進行すると重篤な状態に陥る可能性が高く、心筋症と気づいた時にはかなり進行していることが少なくありません。特に猫の心筋症では病態が進行していても心雑音が小さかったり、聴取されなかったりすることがあります。そのため好発品種では、中齢になったら症状がなくてもレントゲン検査や心臓超音波検査などを行い、早期発見・早期治療を行うことが重要です。残念ながら心筋症は完治する病気ではありません。お薬で病気の進行をゆっくりにし、症状を抑えることで、病気と上手に付き合っていくことが大切になります。
獣医師 森山寛大
トリマー通信
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