最新号
SaGAMeC通信 第202302号(2023年01月31日 発信)
獣医師通信
今年は1月末から大きな寒波が来ています。
大きく気候が変わるときは我々人間が体調を崩しがちのように動物も体調を崩しやすくなります。
2月もまだまだ寒い日々が続きますが、健康に気をつけていきましょう。なにか気になることがあればお気軽にご来院下さい。
看護師通信
早いもので、2023年もあっという間に1ヶ月が過ぎました。
2月と言ったらバレンタインデーですね。
人間にとっては美味しいチョコレートですが動物達にとっては中毒を起こしてしまう危険な食べ物です。
動物たちの手の届かない場所に保存し、少しでも食べてしまった可能性がある際はすぐに診察にいらして下さい。
獣医師コラム
中毒 ー犬と猫が食べたら危険なものー

今年も寒い季節がやってきました。冬には猫とコタツで暖かい鍋を食べるのが夢です。
今月はワンちゃん、ネコちゃんが食べると中毒症状を起こしてしまう、危険なものについてです。犬や猫は身近に存在するあらゆるものを誤食する可能性があります。一昔前までは農薬系の薬剤(殺虫剤や除草剤など)による中毒が多く認められていましたが、近年では室内飼育が増えているため、以前とは異なる中毒が増加している傾向にあります。

1.食べ物
ユリ科の食用植物(タマネギ ネギ ニンニク ニラなど) チョコレート カフェイン キシリトール ぶどう イカ マカダミアナッツ アボカド 生卵 生の貝類 牛乳 鶏の骨など

2.有害植物 
ユリ科の植物(ユリ チューリップ スズラン ヒヤシンス アロエなど)
アサガオ アジサイ スイセン ヒガンバナ ポインセチア キョウチクトウ ツツジなど

3.家庭用品
漂白剤・洗浄剤 殺虫剤・防虫剤 歯磨き粉(キシリトール) エチレングリコール(保冷剤) アルコール タバコ 人間の医薬品 エッセンシャルオイル(精油) 防水スプレー ボタン電池 揮発性物質(石油製品 マニキュア 除光液など) 紐状のものなど

4.その他
農薬(殺虫剤 殺菌剤 除草剤など) エチレングリコール(不凍液) 重金属 カビ  

皆さんはいくつご存知だったでしょうか。人が食べると危険なものは、動物にとってももちろん危険ですが、これから解説するものは人が食べて害がなくても、犬や猫が食べることによって中毒を起こすものと、致死率が非常に高いものになります。

ネギ中毒:犬や猫が食べてはいけない代名詞でもあるタマネギ。ユリ科の食用植物の中で、特に毒性が強いものとしてタマネギとニンニクが挙げられます。熱を通していても発症し、煮込むことによってより濃厚になる場合があるので注意が必要です。また、柴犬、秋田犬でネギ中毒になりやすいという報告があります。
中毒症状が発症した場合、1〜5日で重度の貧血を起こし、死に至ることがあります。

チョコレート中毒:チョコレートは犬で中毒を起こし得るもっとも身近な食品の一つです。中毒を起こす成分はカカオに含まれるメチルキサンチン系の化合物であるテオブロミンとカフェインであり、カカオの含有量が高いダークチョコレートやビターチョコレートで中毒が起きやすいとされています。ココアパウダーはさらに多くの含有量が含まれていますので特に注意が必要です。中毒症状が発症した場合、急性に消化管、神経系および心臓に中毒が回り、12〜36時間で死に至ることがあります。

キシリトール中毒:食品、ガムやキャンディ、人の歯磨き粉などに含まれているキシリトールを摂取することにより、急性の低血糖や、数時間から数日後に肝障害を引き起こします。摂取した量や経過時間が予後を左右しますが、中毒症状が重度の場合は死に至ることがあります。
急性の中毒症状は摂取してから30分以内に症状が現れるため、摂取してしまった場合は速やかに獣医師に相談してください。

ブドウ中毒:ブドウの種類に特定のものはなく、生でも、乾燥させたものでも摂取後に中毒を起こすことがあります。中毒量は決まっておらず、1kgのレーズンを食べても発症しない場合もあれば、数粒のブドウや、皮や搾りかすのみを摂取することにより中毒に陥ることもあります。
中毒症状が発症した場合には急性腎障害を引き起こし、死亡率は約50%であったという報告があります。犬での中毒が多く報告されていますが、猫やフェレットでの死亡例も報告されています。

イカ中毒:猫では生だけではなく乾物のイカにも中毒を起こすことがあります。昔から「猫がイカを食べると腰を抜かす」と言われていますが、漁港で生活している猫が生のイカを内臓ごと食べたことによりビタミンB1欠乏症を発症し、ふらついて歩行困難になってしまうことから言われています。

その他の食べ物で中毒を起こすものにマカダミアナッツ、アボカド、生卵の卵白、生の貝類などが知られています。また、人間用の牛乳には乳糖という炭水化物が含まれていますが、犬や猫では乳糖を分解する能力が弱いため下痢や嘔吐を引き起こすことがありますので、ミルクは動物用のものを使用していただければと思います。

有害植物:動物にとって有害であると考えられている植物は、日本において200種類ほど存在すると言われています。そのほとんどは野外に生息している植物ですが、近年問題となっているものにユリ科の植物など、観葉植物が挙げられます。
ユリ科植物の中で広く観葉植物として使われるユリ属およびヘメロカリス属の植物(ヤマユリ、オニユリ、テッポウユリ、カサブランカなど)が、猫に対して非常に強い毒性を示すことが報告されています。ユリ科植物の毒性成分は植物の全ての部分に存在し、花弁や茎、葉、花粉にも含まれています。ネギやブドウなどと同様に、食べても中毒を起さないこともあれば、毛に付着した花粉や、ユリの入った水を舐めただけで中毒を起こすことがあります。
中毒症状が発症した場合には急性腎障害を引き起こし、4〜7日で死に至ることがあります。

家庭用品:ご家庭の中にも中毒を起こす様々なものがありますが、近年飼い主自身のお薬による中毒が問題となっています。医薬品にはそれぞれ様々な副作用がありますが、常備薬である風邪薬や解熱鎮痛薬などに含まれる成分(アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬など)により、貧血や肝障害、腎障害などを引き起こすことがあります。これらの人間用の医薬品の多くは特に猫で毒性が高く、時に生命を脅かすことがあります。老齢や腎臓、肝臓機能が低下している場合によりリスクが高くなります。
飲み薬だけでなく、過去には飼い主が気づかないうちに消炎鎮痛作用の湿布を誤食してしまい、胃に穴が空いて亡くなってしまった症例がいました。辛く悲しい思いはしたくないと思いますので、お薬はしっかりと管理していただければと思います。

アロマセラピーで使用するエッセンシャルオイル(精油)により、猫で中毒を起こすことが報告されています。猫の肝臓が精油の成分を解毒できないため中毒症状(肝障害)を引き起こします。オイルを直接舐めたり、皮膚に付着することで急性中毒を起こすと言われていますが、詳しい機序ははっきりしていません。
ディフューザーやランプなどを使用し、部屋に拡散させるだけで中毒を起こす可能性は現時点では低いようですが、有害である可能性を否定できないため避けた方がよいかもしれません。また、すべてのオイルが猫に危険というわけではありませんが、ティーツリーオイルは猫に対して有害であることが確認されていますので取り扱いには注意してください。

防水スプレーによる肺障害にも注意が必要です。防水スプレーを吸い込んでしまうことで、撥水性樹脂が肺胞に付着することにより呼吸障害や肺炎を引き起こすことがあります。噴射したスプレーは床の方に溜まりやすいため、人よりも床に近い犬や猫は多量の有害物質を吸い込んでしまうことに加え、肺の大きさが人間よりも小さいために、少量の使用でも重篤な症状を引き起こすことがあります。そのため防水スプレーを使用する際は、必ず屋外で行ってください。

電池の誤食も大変危険です。ボタン電池を誤食し、食道や胃に留まってしまうと粘膜に損傷を引き起こし、発見が遅れた場合には死に至ることがあります。電池で遊んでいる間に誤って食べてしまうということがありますので、電池類はしっかりと保管していただければと思います。

農薬:世界中で最も報告の多い中毒物質が農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤など)です。特に有機リン化合物およびカーバメート化合物による中毒は、致死率が非常に高い中毒物質です。
急性で重篤な中毒症状と、数日から数週間後に発症する遅発性の中毒があり、後遺症が残る場合があります。農薬がありそうな場所にはできるだけ近づかないようにすることが大切です。

エチレングリコール中毒:エチレングリコールは無色無臭の甘味のある液体で、自動車の不凍液や一部の保冷剤などに使用されています。甘い味を動物が好んで摂取してしまうため中毒の原因となりやすく、極少量の摂取でも重篤な症状を引き起こし、全ての中毒の中でもっとも死亡率が高く、犬よりも猫の死亡率が高いとの報告があります。
中毒発症初期には嘔吐や運動失調などが見られ、その後呼吸不全や腎障害を引き起こし、3〜4日で死に至ることがあります。

重金属中毒:室内で飼育している場合には遭遇する機会の少ない重金属(鉄、鉛、銅、水銀、亜鉛など)ですが、十円玉を誤食してしまい、そのまま胃に留まっていた症例が銅中毒を発症していたケースがありますのでご家庭でも注意が必要です。

ここに書いた中毒物質はほんの一部です。我々の周りにはペットに対して中毒を起こしてしまうたくさんのものが存在します。犬や猫の視線は人間よりも地面に近いため、お散歩中やご家庭の中でも、気づかないところで様々なものを口にしていることがあります。特にまだ幼く好奇心旺盛であったり、食いしん坊な子は誤食してしまうことが多い傾向にあります。中毒ではないですが、紐状のものや鶏の骨は、腸閉塞や消化管の損傷を引き起こすことがあるため注意が必要です。
中毒物質を誤食してしまった場合には急いで催吐処置を行い、できる限り毒物を除去するという治療法が一般的です。しかし、漂泊剤や洗浄剤などの強酸・強アルカリ性のもの、揮発性物質(石油、ガソリン、マニキュア、除光液など)、鋭利な物、電池などの場合には催吐処置を行うことで肺や消化管に障害を起こす可能性があるため、無理に吐かせることは禁忌とされているものもあります。また、誤食した直後に水や牛乳を飲ませて吸収を遅らせるという方法もありますが、防虫剤、タバコ、石油製品などでは逆効果の場合もあります。
誤食してしまった場合にはすぐに動物病院に連絡し、食べてしまったものと同じもの、または残ったもの、あるいはパッケージをご持参いただくことで、誤食してしまった量や詳細がわかるため迅速な処置を行うことができます。誤食後に積極的な治療を行わなかった場合、命を脅かすことがありますのですぐに獣医師に相談してください。最後に、日ごろから身の回りの中毒物質に目を向け、誤食させないように心がけ、健やかな毎日を送れるように心がけましょう。

追記:中毒とは関係がありませんが、ここ数年ペットの健康のために穀物を一切使用しない『グレインフリー』のフードが話題になっています。しかし2019年にアメリカ食品医薬品局(FDA) から拡張型心筋症とグレインフリー食の関連性が報告されました。その中で拡張型心筋症に罹患していた91%の犬と猫で、グレインフリー食が与えられていたことがわかりました。
グレインフリー食が拡張型心筋症を発症させる機序はまだ明らかになっていませんが、穀物にアレルギーがあるなどの特別な理由がない限り、因果関係が明らかになるまではフードを変更した方がよいように思います。また、グレインフリー食や手作り食を与えている方は、心臓病に対する注意がより必要であるかもしれません。
(https://www.fda.gov/animal-veterinary/outbreaks-and-advisories/fda-investigation-potential-link-between-certain-diets-and-canine-dilated-cardiomyopathy)
副院長 森山 寛大
トリマー通信
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