獣医師コラム
【うさぎの皮膚疾患】
「毛が抜けた」、「体をかゆがる」あなたのペットにこのような症状はありませんか? 皮膚病も、放置してしまうと悪化して、治療が非常に難しくなります。皮膚病だからといって軽視しないで、早めに治療しましょう。
うさぎの皮膚病は、脱毛、かゆみ、発赤、ふけ等を主な症状としますが、その原因は、細菌、真菌、外部寄生虫、アレルギー、内科疾患などさまざまです。 同じ症状でも原因によって治療方法が異なりますので悪化する前にご相談ください。特にエキゾチックアニマルは安全に使用できる薬も限られているので、早期治療がポイントとなります。
以下に、日常的によく発生する代表的な皮膚病をあげてみました。
うさぎがかかりやすい皮膚病
【ダニ等の外部寄生虫症】
【湿性皮膚炎】
【足底皮膚炎】
【ダニ等の外部寄生虫症】
うさぎに寄生するダニには、ウサギキュウセンヒゼンダニ、ウサギズツキダニ、ウサギツメダニ、マダニがあります。
これらのダニの寄生により、かゆみ、発赤、ふけなどの症状が現れます。 治療は駆虫剤を用いて行われますが、犬や猫用の駆虫剤は、うさぎに使用できないものもありますので、自己判断で投薬しないようにしましょう。
【湿性皮膚炎】
湿気に弱いうさぎの皮膚は、何らかの原因で濡れてしまうと、二次的に皮膚炎を起こしてしまいやすくなります。よく発生するのは、涙で濡れた目の周囲と、よだれで濡れた顎の部分、お尻周りです。 皮膚炎を悪化させないように対処しながら、その原因である結膜炎や不正咬合、下痢の治療を行なっていくことが大切です。特によだれが出ているうさぎは不正咬合の可能性が高いので早期に診察を受けることが必要になります。
【足底皮膚炎】
後ろ足の裏(かかとに近い部分)に発生し、太っていたり、足を頻繁に鳴らす気が強い個体、遺伝的に足の裏の毛が薄い種類の場合や、金網の床のケージで飼われているうさぎに多く発生します。 当初は、毛が薄くなっているだけですが、やがて赤みを帯びて腫れてきます。 細菌感染が進行しさると穴があいて潰瘍化してしまい、治療も困難になりますので、減量やマッサージ、床材の変更、こまめな管理など早期に対処することが大切です。
獣医師 小坂由紀