SaGAMeC通信 第202204号(2022年04月01日 発信)
獣医師通信
春になり、フィラリアの予防シーズンがやってきました。
フィラリア検査時の血液検査で、全身の血液検査を行うことができます。
健康診断をご希望の方は獣医師にご相談下さい。
看護師通信
春になり暖かい日が増えてきました。
ノミ・マダニなどの寄生虫も活発になりますので毎月の予防を心がけましょう。
獣医師コラム
猫ヘルペスウイルス感染症

猫ヘルペスウイルス感染症とは猫ヘルペスウイルス(以下:FHV-1)による感染症で、猫風邪とも言われます。特徴的な急性症状は鼻水・鼻づまり・くしゃみ等ですが、症状が重い子は発熱、食欲不振を起こすこともあります。感染経路は口や鼻、粘膜を介したもので、子猫の時期に母猫から感染を起こすこともあります。このウイルス感染症の厄介な点は神経に潜伏感染するため、感染した猫は生涯キャリアになってしまうことです。そのため、治療をしたとしてもウイルスは体内に留まり続け、環境の変化などのストレスによって再発することがあります。

病変を起こしやすい部位としては上部気道粘膜、角膜、結膜、皮膚が挙げられます。目に関しては症状が多岐に渡り、結膜炎(結膜充血、結膜浮腫)、眼瞼痙攣、眼瞼浮腫、角膜潰瘍、角膜黒色壊死症、ぶどう膜炎等があります。

診断方法は、臨床症状、結膜や目脂の細胞診検査、PCR検査を用いて行います。臨床症状を見極めることが大事だと言われていて、他の感染症(猫カリシウイルス感染症、クラミジア感染症、ボルデテラ感染症等)との鑑別を行います。PCR検査は非常に有用な検査方法ですが、偽陽性が多く出る検査でもあるため、100%の信頼性があるわけではありません。

治療方法は抗ウイルス薬の使用、二次感染の予防や支持療法、サプリメントの投与を行います。ワクチン接種は感染自体を完全に防ぐことはできませんが、ウイルス感染による臨床兆候の緩和に有効であると言われています。

抗ウイルス薬には様々ありますが、FHV-1に開発された抗ウイルス薬は少ないため、ヒトヘルペスウイルス(HSV-1)に対する薬を用いるのが一般的になっています。抗ウイルス薬の使用には安全性・効果・入手方法・費用等で問題が生じることもあるため、課題が多いのが現状です。その中でも使用頻度が多いものは、眼軟膏、点眼薬、内服薬などがあります。

二次感染の予防には抗菌薬の全身投与を行い、支持療法ではインターフェロン製剤の投与を行います。サプリメントはL-リジンのアミノ酸製剤を使用します。L-リジンのサプリメントは動物用として作られているものもあるため、種類によっては嗜好性が高いものもあり、おやつ感覚であげられるものもあります。

猫ヘルペスウイルス感染症は一度感染や発症をしてしまうと生涯付き合っていく感染症です。しかし、ウイルス感染症は治療により安定した状態で過ごすことも可能です。猫の生活環境に応じて管理方法も異なってくるため、その子に合った治療方法を提案できればと思っております。
獣医師 中島昂輝
トリマー通信
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