SaGAMeC通信 第202306号(2023年06月01日 発信)
獣医師通信
6月に入り天気や気圧、寒暖差など気候が乱れやすい季節となりました。
この時期はワンちゃんやネコちゃんも体調を崩すことが多くなります。
些細な体調の変化でも気になることがありましたら来院をお待ちしています。
看護師通信
ジメジメとした季節になってきました。
この時期は温度差などによりワンちゃんネコちゃんも体調を崩しやすくなります。
また、皮膚の感染症も起こしやすい季節になるので気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
獣医師コラム
【不妊手術の利点と欠点】

避妊・去勢手術をするか否かは、多くの飼い主様が一度は悩む問題ではないでしょうか。健康な体にメスを入れることに抵抗を感じる飼い主様もいらっしゃると思います。そこで、今回は不妊手術の利点と欠点を解説していきますので、手術を検討している飼い主様の手助けになれば幸いです。

⚫︎避妊手術の利点
望まない繁殖を回避することはもちろん、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症、卵巣腫瘍などの病気を予防できます。
特に乳腺腫瘍の発生率は避妊手術を行う時期と密接な関係があります。犬では初回発情前に避妊手術を行った場合、避妊していない雌に比べて乳腺腫瘍の発生率は0.05%と言われています。猫では6ヶ月齢以前に避妊手術を行った場合、避妊していない雌に比べて乳腺腫瘍の発生率は9%、7-12ヶ月齢に避妊手術を行った場合は14%と言われています。これは犬猫の乳腺腫瘍の発生に性ホルモンが関与しているためで、初回発情前の早期に避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍の発生率を有意に低下させることができます。子宮蓄膿症とは、9歳以上の未避妊の雌犬に発症が多い病気で、大腸菌などの細菌が感染して子宮内に膿が貯留することにより起こります。犬の避妊手術では、卵巣および子宮を摘出するため、子宮蓄膿症のような子宮の病気も予防することができます。

⚫︎去勢手術の利点
前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニア、精巣腫瘍などの病気の予防、問題行動の改善が期待できます。
前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアは性ホルモンに関与している病気で、未去勢の雄犬では病気の発症後に治療目的で去勢手術を行う場合もあります。
精巣が陰嚢内に降下せずに腹腔内または皮下に存在する状態を潜在精巣といい、潜在精巣を放置すると腫瘍化しやすいことがわかっています。潜在精巣の症例では、なるべく早期に去勢手術を行うことが望ましいとされています。
雄犬のマーキングやマウンティング、雄猫のスプレー行動も性ホルモンに関与しており、去勢手術により抑制できる場合が多く、さらに攻撃性の低下も期待できます。

⚫︎不妊手術の欠点
避妊・去勢手術後は肥満になりやすいと耳にすることがあると思います。これはテリトリー意識や運動量が低下することで、消費カロリーが15-25%減少するためです。また、6ヶ月を超えると成長スピードも落ちていくため、手術以前と同様の食事を継続した場合、より太りやすい傾向にあると言えます。避妊・去勢手術後はきちんと食事管理を行い、肥満にならないように気をつけていきましょう。 避妊・去勢手術を行うためには全身麻酔が必要となります。全身麻酔の副作用として、麻酔薬によるアレルギー反応や、肝機能低下、血圧低下などが挙げられます。最悪の場合、全身麻酔により亡くなってしまうケースも存在します。このような麻酔リスクを軽減するために、当院では術前検査として血液検査を行っています。また、手術中の麻酔管理として、呼吸や心臓のモニタリングを執刀医と異なる獣医師が常に行っています。

このように不妊手術を行うことで、様々な病気の予防に繋がります。当院では犬猫の避妊・去勢手術のご予約を随時承っております。また、手術に少しでも不安がある場合は、当院の獣医師にお気軽にご相談ください。
獣医師 生田麟
トリマー通信
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