SaGAMeC通信 第202101号(2021年01月01日 発信)
獣医師通信
新年明けましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になりました。
今年もスタッフ一同、皆様の大切な小さな命のために精一杯努めて参りますので、どうぞよろしくお願い致します。
看護師通信
皆様、健やかに新春お迎えのこととお慶び申し上げます。
1月は環境の変化による体調不良や食欲不振がおきやすく、「何か食べてしまったかも」「予防薬を忘れてしまったかも」という思いもよらぬ「うっかり」が増えてしまう時期です。
小さなことでも構いませんので、普段と変わったことや心配なことがございましたら、病院にご相談下さい。
獣医師コラム
【第三眼瞼の疾患】
ワンちゃんやねこちゃんの目には第三眼瞼(瞬膜)というものがあります。第三眼瞼は眼球を保護してくれる働きがあるのと、中に含まれる第三眼瞼腺(瞬膜腺)が涙を産生します。ワンちゃんの場合だと涙の全体量の3割~5割を産生しています。交感神経が動きを支配していますが、眼球自体が奥に引っ込むと覆い被さるように目頭(内眼角)から出てきます。
先天性疾患としては生まれつき第三眼瞼が反転していたり、欠損していたりする子がいますが、後天性疾患には第三眼瞼腺の脱出(チェリーアイ)や腫瘍などがあります。今回は後天性疾患のお話をします。
第三眼瞼の脱出(チェリーアイ)という病気の名前を一度は聞いたことのある方も多いのではないでしょう?病気の名前が独特で、名前の通り赤く腫れた第三眼瞼腺がさくらんぼの様に見られることから名前がつけられました。脱出は突然起こり、数日で引っ込むこともありますが、繰り返す場合は脱出したままになります。原因としては炎症がある場合や、第三眼瞼腺と眼窩の骨を結んでいる線維が弱い場合などがありますが、明確な原因は分かっていません。発症年齢は若い犬が多く、好発品種はコッカースパニエル、ブルドック、ペキニーズ、ビーグル、シーズー、チワワなどです。
治療方法としては内科的治療と外科的治療があります。内科的な治療は感染や炎症に対して抗生剤や抗炎症薬の点眼薬を使用します。点眼薬によって一時的に症状が改善することはあっても再発も多いため、外科的な治療を必要とする場合があります。外科的な治療は瞬膜腺を固定するアンカリング法や、埋没するポケット法などを用いて瞬膜腺を正常な位置に整復します。高齢犬の場合は腫瘍性疾患の可能性もあるため、手術の際に組織の一部を病理組織検査に提出します。
また、第三眼瞼の病気として「脱出」ではなく、「突出」と表現される病気にはホルネル症候群というものがあります。症候群なため、診断名ではなく病態になりますが、第三眼瞼の突出に加えて眼球陥没、上眼瞼の下垂、縮瞳の症状が同時に認められます。
交感神経が障害され、副交感神経が優位になる場合に発症し、障害される交感神経の部位によって原因が異なります。原因の特定には血液検査、レントゲン検査、耳道の評価を行いますが、CT検査やMRI検査が必要になる場合もあります。しかし、様々な検査を行っても約半数は原因が明確にできないと言われています。
第三眼瞼(瞬膜)の変化はご自宅でも分かりやすいと思います。目の異常は全身の問題を反映している場合もあるため、細かな事でも気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
獣医師 中島昂輝
トリマー通信
明けましておめでとうございます。
1,2月のオプションセットは泥シャンプー、歯磨き、足裏パック、トリートメントのセットです。
乾燥で静電気が起こりやすく、切れ毛や毛玉の原因になるのをオプションセットでふわふわの被毛を保ちましょう。
今年も沢山のわんちゃん、ねこちゃんに会えるのを心待ちにしております。