SaGAMeC通信 第2024.08号(2024年08月01日 発信)
獣医師通信
猛暑が続き、熱中症になりやすい時期になりました。
お散歩は明け方や夕方の涼しい時間に行くよう心がけましょう。
また、水分補給・室温管理に気を付けましょう。
様子がおかしい場合は早めのご来院お願いいたします。
看護師通信
梅雨が明け、夏が本格的に始まりましたね。
日差しが強く、地面がとても暑くなっています。
ワンちゃんのお散歩は朝や夜など涼しい時間帯にし、熱中症に気をつけましょう。
獣医師コラム
【 巨大食道症 】

消化器疾患は我々獣医師が日々の診療の中で最も目にする病気の一つとなります。その中でも巨大食道症について今回は書かせていただきます。

「吐く」という症状は嚥下困難、吐出、嘔吐に分けられます。これらの分類は非常に大切であり口から食べたものがでる同じ動作でも疑う病気が変わってきます。嘔吐は胃から物が出ることで、腹部に力が入り能動的に吐きます。
嚥下困難は食べた物を飲み込むことができないのですぐに吐き出します。このとき嘔吐と異なり腹部の圧がかからずに吐き出します。また、飲み込もうと努力し、大げさな動作を繰り返しますこともあります。
最後に吐出です。吐出は食べたものを飲み込んだ後、胃に到達する前、つまり食道から吐き出すことです。食後数分程度でおこることが多いですが中には数時間後におこることもあります。嚥下困難と同様に腹部に圧をかけることなく吐き出します。基本的には消化されていない未消化物を吐き出しますが、食道内に停滞していた時間に応じて発酵臭や粘液を伴うこともあります。

嚥下困難を伴わない吐出は食道疾患を値よく疑います。
吐出の原因となる疾患は食道の通過障害によっておこるものと食道が虚脱しておこるものがあります。食道の通過障害としては食道内異物や食道炎による食道狭窄や血管輪異常、食道や食道周囲の腫瘍、裂孔ヘルニア、胃食道重責、胃拡張胃捻転症候群などがあります。食道の虚脱は巨大食道症、食道炎による食道拡張、食道憩室などがあります。

巨大食道症は通常の単純レントゲン検査あるいは食道造影をおこなった造影レントゲン検査にて確認ができます。巨大食道症を認めた場合、次に原因の精査が必要になります。

特発性巨大食道症の原因は
・先天性(ジャーマンシェパードやゴールデンレトリバーなど遺伝的要因)
・後天性(原因不明)

続発性巨大食道症の場合は
・副腎皮質機能低下症や甲状腺機能低下症といった内分泌疾患
・局所型重症筋無力症や多発性筋炎といった神経や筋肉の疾患
・鉛や有機リンといった中毒
・食道炎や食道狭窄、裂孔ヘルニア、食道腫瘍、胸腺腫、全身性紅斑性狼瘡、その他中枢神経、頸部や胸部の腫瘤による求心性迷走神経障害
と多岐にわたります。

その子の一般状態や血液検査、レントゲン検査やエコー検査にてこれらの疾患がないか調べます。これらの原因となる基礎疾患がなければ特発性巨大食道症となります。治療法は続発性巨大食道症であればその治療を行います。特発性巨大食道症であれば治療法はありません。巨大食道症は吐出を繰り返すため誤嚥性肺炎になりやすく、死因として非常に多いです。
誤嚥を避けるためには食事中から食後30分程度まで立位にすることが重要です。
誤嚥を繰り返すようであれば胃にチューブを入れて直接食べ物を胃に流しいれる胃瘻チューブの設置も検討します。

巨大食道症はご自宅での食事中~食後の立位による管理が非常に重要になります。また、誤嚥してしまった場合は亡くなってしまうリスクのある病気となってきます。また、続発性の場合は基礎疾患の治療に応じて食道の運動が回復することがあります。
獣医師 相原亮太
トリマー通信
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