SaGAMeC通信 第202210号(2022年10月01日 発信)
獣医師通信
0月に入り、いよいよ秋めいてまいりました。
大きな公園や自然の中などで過ごす時間が増えてくる季節になってきました。
ワンちゃんにとっては身近な植物の中に、毒性のあるものがいくつかあります。
いつもと違うものを食べ何か体調に変化がありましたらお気軽にご相談下さい。
看護師通信
10/3より、Drs Careさんから猫用キドニーケアプラス(可溶性繊維)が新発売されます。
食欲にムラのある慢性腎臓病のネコちゃんに配慮されており、また便秘・加齢にも配慮されているご飯になります。
気になる方は当院スタッフにご相談下さい。
獣医師コラム
胆嚢粘液嚢腫

胆嚢粘液嚢腫は、犬の胆道系疾患の中でも一般的な疾患の1つとして認識されています。中高齢で高脂血症を持つ犬に多いことが知られています。

胆嚢とは、肝臓で生成された胆汁を貯蔵する袋状の臓器であり、摂食刺激によって胆嚢は収縮し、胆汁が総胆管を介して十二指腸へ分泌されます。胆汁は脂肪の消化に重要な役割を果たしています。

胆嚢粘液嚢腫とは、胆嚢壁の炎症や胆嚢の運動性が低下することにより、胆嚢内にムチンと呼ばれるゼリー状の粘液物質が過剰に蓄積した状態をいいます。過剰に蓄積した粘液物質が胆汁の分泌を障害し、様々な消化器症状を引き起こします。さらに、過剰に蓄積した粘液物質が胆嚢壁を圧迫することで、胆嚢壁が壊死してしまう場合もあります。胆嚢壁の壊死は胆嚢破裂を誘発し、胆嚢破裂により腹腔内に胆嚢内容物が漏出すると、腹膜炎を引き起こす場合もあります。

症状は、食欲不振、腹痛、嘔吐、黄疸などの消化器症状を呈する症例から、無症状で血液検査でも全く異常が検出されず、超音波検査で偶然発見される症例まで様々あります。また、黄疸を示さずに胆嚢破裂により、虚脱や腹痛のような腹膜炎様症状を呈する症例や突然死する症例もあります。

診断は超音波による画像検査が一般的であり、胆嚢の中心が白色(高エコー源性)になり、その中心から放射状に白色(高エコー源性)の線状構造が認められます。このように胆嚢粘液嚢腫を呈した胆嚢の超音波断面像が、キウイフルーツの断面に似ていることから、キウイフルーツ様ともいわれています。診断することは比較的容易ですが、胆嚢破裂を引き起こしているか否かの鑑別は重要となります。

臨床症状を伴わない軽度の症例では、内科的治療と食事療法(低脂肪食)により管理できる場合もありますが、徐々に進行する場合もあるため定期的な経過観察が必要となります。臨床症状を伴い胆嚢破裂の危険性が高い症例、胆嚢破裂や腹膜炎を呈する症例では、外科的に胆嚢切除手術を行います。

胆嚢粘液嚢腫にならないために、高カロリーや高脂肪の食事に注意し、栄養バランスの取れた食生活を心掛けてあげましょう。また、早期発見、早期治療が重要な病気となるため、定期的な健康診断の受診をお勧めしております。

                         獣医師 生田 麟  
トリマー通信
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