SaGAMeC通信 第2022.02号(2022年02月01日 発信)
獣医師通信
2月に入り、コロナ感染症が猛威を奮っております。
ワンちゃん、ネコちゃんも人間と同様にウイルス感染症を引き起こす可能性がありますので、1年に1回のワクチン接種は心がけましょう。
看護師通信
2月は節分やバレンタインデーなどの食べ物に纏わるイベントがありますね!
ご自宅のワンちゃんやネコちゃんも美味しそうな臭いが気になっていると思います。
このシーズンは誤食させてしまったという報告を度々受けます。
食べてしまってから時間が経つと腸に詰まったり、吸収されてしまったり、重症化に繋がるリスクが高まります。
もし誤食を疑う事がありましたら様子を見ずに、まず病院にご相談下さい。
獣医師コラム
ウサギの不正咬合

今回のコラムではウサギに多い不正咬合についてのお話です。

ウサギの歯はヒトの歯と異なり切歯(前歯)と臼歯(奥歯)が生涯にわたり伸び続けます。そのため、ウサギでは歯に関する疾患(歯牙疾患)が多く認められ、噛み合わせが合わず歯が伸び続けてしまうことで不正咬合は起こります。また、不正咬合は切歯と臼歯が同時に発症する場合もあります。

症状
不正咬合では、牧草を食べなくなる、食べづらく噛みきれない、うまく口を動かすことができない、嗜好性の変化などの症状が認められ、進行するとよだれや流水、鼻汁、食欲不振、また食欲不振による消化管のうっ滞(食滞)、伸びすぎた歯が頬や舌に炎症や膿瘍を引き起こす場合があります。

治療
不正咬合がある場合、ウサギの状態に合わせて切歯の場合は2~3週間おきに1度、臼歯の場合は数ヵ月おきに1度の歯のカットが必要となります。切歯のカットの場合は無麻酔で行うことが多いですが臼歯のカットを行なう際には麻酔が必要となる場合が多くあります。
しかしながら、ウサギなどの草食動物は麻酔に対する影響を受けやすい為、体調、歯の伸び具合に合わせて治療をその都度相談して行うことが大切です。

原因
不正咬合の主な原因は外傷で、活発なウサギでは落下による歯折やケージを齧ることでの歯根部の傷害が生じます。
その他の原因としては食事の関与が挙げられます。ペレットを主食にする食べ方では、草食動物本来の食べ方である牧草を奥歯ですりつぶすような食べ方から噛み砕くような食べ方に変化してしまい臼歯が削れず伸びて不正咬合を起こしてしまうと考えられています。
また、遺伝的な要因もあげられネザーランドドワーフやドワーフホトなどの短頭種は不正咬合になりやすいとされています。

予防
ペレットやおやつを与えすぎず切歯や臼歯が伸びないよう牧草をよく食べる飼育環境にしていくことが大切です。牧草ではイネ科牧草であるチモシーの一番刈りが繊維豊富でウサギには理想的です。食べない場合は、二番刈りや三番刈り、その他のイネ科の牧草を与えてみるのも可能ですが、マメ科の牧草はイネ科と比較して繊維が少ないため主食の牧草として取り入れるのは控えましょう。
一度、歯に問題が起きたウサギの飼い主さんは、食欲不振や糞の変化、流涎などをよく観察するようにし異常があれば早期に受診するようにしましょう。切歯や臼歯の不正咬合を放置していた場合、正常な切歯や臼歯まで不正咬合になる場合があるため不正咬合の初期の治療が予防に繋がります。

まとめ
ウサギなどの草食動物は常に牧草を食べ続ける生き物のため牧草を食べなくなるとこによる影響が顕著に出やすいです。特に不正咬合により消化器疾患や全身状態の悪化が併発する可能性が高いためできるだけ早めの受診、治療がポイントです。
また、切歯は注意深く観察すれば飼い主様ご自身でも異常が確認できるため、歯の並び方がおかしい、歯が異常に伸びているなどがあればお気軽にご相談ください。臼歯の異常は自宅で確認することはほとんど不可能なので上記の症状がある場合には病院での口腔内検査をお勧めします。

獣医師 小坂由紀
トリマー通信
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小松ちくわちゃん
楠田ルイくん
梁谷でん助くん
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