SaGAMeC通信 第202105号(2021年05月01日 発信)
獣医師通信
さわやかな風が吹き渡る季節となりました。
同時に蚊を見かけることが増えてきたかと思います。
フィラリアは感染すると重篤化しやすい病気の為、しっかりとした予防が大切です!
フィラリア・ノミ・ダニ・消化管寄生虫がまとめて予防できるタイプ等、多数種類をそろえております。是非ご相談ください。
看護師通信
猫ちゃんの泌尿器疾患ケアのために欠かせない水分摂取をサポートしてくれる新しい経口補水液が発売されました。
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獣医師コラム
先天性門脈体循環シャント
先天性門脈体循環シャントとは、胎児期に血管系の発育異常で起きる病気です。消化器から吸収した栄養を肝臓に送る
血管を門脈と言いますが、その門脈が肝臓に行く途中で、別の静脈系血管に誤って接続してしまっているために、肝臓 に門脈系の血液が流入しなくなってしまう病態です。
犬と猫では犬に多く、国内では小型犬に多く発生し、好発犬種はヨーキー、M・ダックス、マルチーズ、トイプードル、 パピヨン、チワワ、M・シュナウザーなどです。重症な場合は幼少期に症状が出ることで診断されますが、中程度以下 の場合生後6ヶ月齢での不妊去勢手術前の血液検査で発見されることが多いです。
先天性門脈体循環シャントは肝臓への血液量が低下する疾患なので、放置しておくと加齢とともに肝臓が線維化してい き、ついには肝不全に陥ってしまう致死的な病気です。したがって、肝臓の線維化が進行する前にできる限り早く治療 を行うことが推奨されます。 先天性門脈体循環シャントの確定診断において、以前は試験的開腹による確定診断が行われていましたが、現在は C T 検査を行うことにより、開腹を行わずに確定診断ができるようになりました。
治療法は、門脈から静脈に接続している異常血管を外科的に遮断することにより、門脈の血液量を正常に戻すことです。 手術法は、全身麻酔下で開腹し小腸の門脈血管にカテーテルを挿入し、カテーテルから血管造影剤を注入しながら術中 X 線透視装置で D S A 撮影を行うことにより、確実に異常血管を特定します。また観血的に門脈の血圧と全身の動脈圧 を測定しながら、異常血管を結紮することにより、術後の合併症を最小限に抑えることができます。そして異常血管を 結紮したことで、血管造影剤が肝臓に流入していくことをリアルタイム D S A 撮影で確認し手術が終了します。
このように先天性門脈体循環シャントの診断と治療は、C T 撮影により術前診断を行い、手術計画と麻酔や輸血の計画 を立てなければいけません。手術中には D S A 撮影機能を備えた術中 X 線透視装置、門脈圧測定装置、観血的動脈圧測 定装置などを用いる必要があります。そして術後は I C U による入院管理が必要です。
これらの設備を全て備えているのは、大学病院を除いて相模原市内では当センターだけです。したがって、当センター では先天性門脈体循環シャントの診断から治療までの全てをワンストップで行うことができます。
先天性門脈体循環シャントの早期診断には血液検査が大切です。不妊去勢手術を行わない仔犬や仔猫も健康診断を行うことをお勧めします。
院長 大川雄一郎
トリマー通信
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