SaGAMeC通信 第202111号(2021年11月01日 発信)
獣医師通信
急激な気温の変化は人だけでなく、ワンちゃんネコちゃんにとっても体調を崩しやすい原因とされています。
その一つに泌尿器疾患が挙げられます。寒くなることで飲水量が減り、運動量が減る、また気温の変動により体調を崩しやすくなり感染などが起こりやすくなります。
体調の変化以外にも、尿量や尿の色に異変がありましたら、ご相談下さい。
看護師通信
気温が下がり、肌寒い日が多くなってきましたね。
そろそろ蚊もいなくなってくる頃ですが、蚊の媒介により感染するフィラリア症の予防期間は蚊がいなくなってから1ヵ月後まで継続するのが一般的とされています。
フィラリア症はしっかり予防をすれば防ぐことができる病気なので、12月まで忘れずに投薬していきましょう。
獣医師コラム
歯周病

歯周病は、犬と猫の病気の中で最も多い疾患の一つであり、2歳以上の80%でなんらかの歯周病の徴候を認めるといわれています。
歯周病は、歯肉(歯ぐき)や歯を支持する歯周組織(歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨)に炎症が起こり、最終的には歯周組織が破壊・吸収されることで歯を失う進行性の疾患です。
その原因は歯に付着している歯垢(プラーク)中の細菌であり、プラークコントロール(歯磨きなどのホームデンタルケア)が歯周病の進行に大きく関与しています。

歯周病は大きく分類すると、その進行程度により歯肉炎と歯周炎に分類されます。歯肉炎は歯肉に発赤を伴う炎症が起こっている状態であり、歯石除去や、ご自宅でのデンタルケアなどを適切に行い、原因が除去されれば治癒する炎症です。

一方、歯周炎は歯肉を含め、歯周組織におよぶ不可逆性の炎症で、進行すると歯の動揺(グラグラする)が認められ、最終的に歯が支えられなくなり歯の喪失につながります。
歯周炎が進行すると、根尖(歯の根っこの先端)に炎症が起きて膿が溜まってしまう根尖性歯周炎になります。さらに、根尖周囲の膿が拡大して破裂すると、歯肉や皮膚(特に目の下や頬)に穴があいて膿が排出されるようになり、最悪の場合は下顎の骨折を引き起こすことがあります。
また、歯周炎の細菌が血液に入り込んでしまうと、心臓や肝臓、腎臓に炎症を起こすこともあるのです。

歯周病に伴う症状は、口臭、歯垢や歯石が付着して歯肉が赤く腫れたり、出血している、歯がぐらつく、よだれが増えて口の周りが濡れている、口を触られるのを嫌がったり口を気にしている、固いものを食べなくなる、鼻水やくしゃみが出るなどがあります。

歯周病によって歯槽骨が溶かされてしまうと、元に戻ることはありません。症状の進行を抑えるために、ホームデンタルケアで歯垢を除去することが大切です。歯石が付着してしまった場合には、動物病院で定期的に歯石を取り除き、歯周病を悪化させないことが重要です。
ホームデンタルケアは、歯ブラシによる歯磨きを1日1回行うことが目標ですが、いきなり歯ブラシを使うとデンタルケアを嫌になってしまうことがほとんどです。まずはお口を触られることに慣れさせ、「歯磨き=遊んでもらえる、ご褒美がもらえる楽しいこと」という形で少しずつ行っていくことが大切です。
まだ歯周病による痛みが出ていない若い時期から始めることが重要ですが、歳を取ってからでも遅くはありません。少しずつでもデンタルケアを行い、歯周病を予防し、健康な歯を保ちましょう。
歯周病や、ホームデンタルケアのやり方などわからないことがありましたら、獣医師にご相談ください。
森山寛大
トリマー通信
11月はシルクの泡パックセットになります。
シルクの成分で根元から毛が立ち上がり、ふわふわな仕上げになります。
乾燥が気になる季節になってきました。泡パックで保湿し、皮膚や被毛のケアをしてみませんか?是非お試し下さい!
相崎モモちゃん
柳町サクラちゃん
柳町モモちゃん
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