獣医師コラム
シニア向けの下部尿路疾患療法食
初めまして今年度からSaGAMeCの一員として働いている獣医師の長﨑健人です。まだまだ未熟者ですがよろしくお願い致します。
今回は新しくロイヤルカナンから販売される犬用ユリナリーs/o エイジング7+と猫用ユリナリーs/o エイジング7++CLTについて話したいと思います。
犬猫の下部尿路疾患の原因となるストルバイト結石、シュウ酸Ca結石を管理し出来にくくするためにミネラルなどの栄養バランスを調整し、Mg含有量を制限しています。ストルバイト結石はある程度の大きさでありましたら、食事で溶かすことが出来ますが、シュウ酸Ca結石は大きさ関係なく外科的手術でしか取り除くことができません。
リン、ナトリウムを制限していて高カリウムにすることによって腎臓の健康をサポートしています。腎臓は一度ダメージを受けると元には戻らない臓器です。猫の死因の約30%が腎臓の病気によるもので、この内の50%が腎臓の機能低下で死亡または安楽死しています。
さらに猫用のフードでは犬用のフードに比べてCLTが追加されています。猫の下部尿路疾患の50%以上はストレスによる精神的な要素が関与しています。他にも結石や菌感染が原因で発生したりします。CLTには加水分解ミルクタンパクとL-トリプトファンという猫のストレスに関与した成分を含むことで、特発性の膀胱炎の予防、治療を行っています。コンドロイチン、グルコサミン配合で関節に配慮し、高齢期に多いトラブルにも考えて作られています。
一般的に7歳からとなっていますが1歳以上から食べられるフードになっています。ドライタイプとウェットタイプの物があり、嗜好性も高く食事の切り替えもスムーズに行えることがわかっています。病院内にもサンプルを置くので、フードを試してみたい方がいらっしゃいましたらどうぞお気軽にご相談下さい。
獣医師 長﨑健人