SaGAMeC通信 第202006号(2020年06月01日 発信)
獣医師通信
今年度のフィラリア予防は始められていますか?
当院では予防薬を始める前に、フィラリアの抗原検査をさせて頂いています。
検査の際の血液で全身の健康診断を行うことも可能です。
詳しくはスタッフにお尋ね下さい。
看護師通信
ネコちゃんの投薬補助食ピルアシストが発売されました。
嗜好性が高いのでお薬もあげやすくなります。
受付にサンプルが置いてあるのでお試し下さい。
獣医師コラム
【犬の遺伝性網膜変性症】

「うちの子、最近夜になると見えにくそうにする。」や「暗い時間帯の散歩を嫌がるようになってきた。」と感じることはありませんか?

犬の祖先は夜行性の狼です。今でこそ犬は人と暮らすようになり、生活サイクルが昼行性になっていますが、目の構造は夜行性のままです。特徴的な目の構造としては、目の脈絡膜にタペタム(輝板)と言われる層があり、暗い環境でも光を増幅し、光受容体に反射させる機能を持っています。加えて、網膜の細胞は明るい所で働く錐体細胞より、暗い所で働く杆体細胞が多く分布しています。

そのため、犬の視覚障害や喪失は暗い所での視覚の低下(夜盲)が初期症状と言われています。遺伝性網膜変性症は進行性網膜委縮と中心性網膜委縮の2つに分けられ、日本での進行性網膜委縮の好発犬種はプードル、ミニチュアダックス、ミニチュアシュナウザー、シーズー、コッカースパニエルなどが含まれます。

進行性網膜委縮の診断は、眼底検査、網膜電位図検査などを行いますが、初期症状の夜盲を見つけることが早期診断に繋がると言われています。

残念ながら病気を発症した場合、治療法は存在しません。再度視覚を取り戻す方法はありませんが、進行を抑制するために抗酸化物質(ビタミンE剤)を使用します。ビタミンE剤は内服薬もありますが、飲ませやすいサプリメントもあります。サプリメントであれば錠剤よりも飲ませやすく、ビタミンE以外の成分も補給できることが可能です。

進行性網膜委縮の怖い所は視覚障害以外にも、続発疾患として白内障やブドウ膜炎などを引き起こす可能性があります。そのため、全盲になって終わりの病気ではありません。

散歩が嫌いになったり、動きが緩慢になったりしたのは年だから仕方がないと思ってしまうかもしれませんが、もしかしたら目の異変から起きているかもしれません。普段の生活で気になることがありましたら、細かなことでもいいので、お気軽にご相談下さい。

獣医師 中島昂輝
トリマー通信
6月のオプションは泥シャンプーセットです。
バランスよく配合した世界各地の泥成分が毛穴に詰まった汚れを取り、被毛を傷めることなくサラサラの仕上がりにしてくれます。
梅雨でジメジメする季節なので、泥シャンプーをして毛穴からスッキリしましょう。
西本ピッケくん
原口うずらちゃん
大久保あずきちゃん
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