SaGAMeC通信 第201811号(2018年11月01日 発信)
獣医師通信
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看護師通信
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獣医師コラム
膵炎

膵臓は胃や十二指腸の近くにある小さな臓器で、多くの消化酵素を含む膵液を十二指腸に分泌して食べ物を体内で消化するはたらきと、インスリンなどのホルモンを血液中に分泌して血糖のコントロールをするはたらきを担っている臓器です。膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があります。急性膵炎は膵臓に急激に炎症が起こることで、一時的な食欲不振や吐き気が見られるものから、膵臓がつくり出した消化酵素が膵臓自身を消化してしまうことや、膵臓だけではなく、肺、腎臓、肝臓、消化管などの重要臓器にも障害を起こす多臓器不全により、死に至ることもある怖い病気です。さらに急性膵炎をくり返すと慢性膵炎に進展し、膵臓の機能低下(膵外分泌不全)や、糖尿病を発症することがあります。

急性膵炎の症状

犬の膵炎は食欲不振・嘔吐(急性膵炎の90%)、お腹の痛み(59%)が多く見られます。
腹痛は激しい痛みを伴うため、横になれない、息づかいが荒い、よだれをたらしたりするなどの症状が見られることがあります。猫の膵炎は食欲不振だけを示し、他に特異的な症状を示さないことも多く、嘔吐は46%、腹痛は19%の症例でしか見られないとの報告があります。

急性膵炎の原因

犬においては中高齢犬に多く、品種としてミニチュア・シュナウザー、テリア種、キャバリア、コッカー・スパエル、ミニチュア・ダックスフント、シー・ズーに多い傾向があります。猫でははっきりとした傾向は見られません。高脂肪食を食べたり、ゴミあさりをしたあとに発症することが多く見られ、その他の危険因子として肥満、高脂血症があります。

急性膵炎の診断と治療

診断は臨床症状、血液検査、超音波検査などから総合的に診断を行います。治療は軽症であれば通院治療となりますが、重症膵炎と診断された場合には入院となり、輸液と注射による治療を行う必要があります。膵炎に特異的な治療薬はこれまで存在しなかったのですが、9月に世界で初めて抗膵炎剤「ブレンダ®Z」が承認され、当院でも導入を行いました。これにより犬の膵炎急性期における臨床症状を改善することが期待でき、これまで以上に多くの命を救うことが出来ればと思っています。
急性膵炎は命を脅かす怖い病気です。上記の症状が見られましたらすぐにご相談ください。
森山寛大
トリマー通信
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