SaGAMeC通信 第202404号(2024年04月01日 発信)
獣医師通信
フィラリアの予防が5月から始まります。
フィラリアの予防薬を開始する前にフィラリア検査が必要になります。
一緒に簡易的な健康診断として血液検査を行うこともできますのでぜひご検討下さい。
看護師通信
狂犬病の予防接種の時期になりました。

体調のよい時に市から届いたハガキをご持参の上、ご来院お待ちしております。
獣医師コラム
尿路結石と尿管閉塞 [泌尿器の役割]

泌尿器とは体内の老廃物を濾過し、尿として体外に排泄する機能を有する器官のことです。
腎臓で血液を濾過して尿を生成し、生成された尿は尿管と呼ばれる細い管を通して膀胱に貯留されます。貯留された尿は膀胱から尿道を通して体外へ排泄されます。

[結石のできる場所と種類]
尿の生成過程において、尿中のカルシウム、リン、マグネシウムなどのミネラル成分が結晶化し、腎臓や膀胱で結石を形成する場合があります。結石は尿の流れとともに、尿管や尿道などの細い管状の器官を通過しようとしますが、大きな結石はこれらの器官を通過できずに閉塞してしまうことがあります。このように尿管や尿道に結石がつまることを尿管閉塞および尿道閉塞といいます。結石にはストラバイト(リン酸マグネシウムアンモニウム)やシュウ酸カルシウムなど様々な種類のものがあります。ストラバイトのように食事療法で結石の溶解が期待できるものもあれば、シュウ酸カルシウムのように溶解できないものもあります。

[猫の尿管閉塞]
尿管閉塞は犬にも起こりますが、特に猫で遭遇する機会が多い疾患です。猫の尿管径は0.4mm程度であり、同じ体重の犬と比較しても格段に細く、小さな結石でも尿管閉塞を生じやすいです。猫の尿管結石の98%はシュウ酸カルシウムであるといわれており、前述のとおり食事療法で改善できないため、手術により結石を除去する必要があります。

[尿管閉塞の病態]
尿管閉塞の初期症状は血尿、頻尿、排尿障害などの泌尿器症状から、食欲低下や元気消失などの非得意的な症状まで多岐に渡ります。腎臓は左右で1つずつあるため、片側の尿管が閉塞した場合は症状が軽度なこともありますが、両側の尿管が閉塞した場合はより重度の症状が現れます。尿管閉塞になると、腎臓で絶えず生成される尿が行き場を失い、腎うと呼ばれる部分に尿が溜まり腎臓が拡張していきます。この状態を水腎症といい、過剰に貯留した尿が腎組織を圧迫することで、急速に腎障害が進行します。さらに病態が悪化すると、尿中に排泄できない老廃物が体内に蓄積することで、尿毒症を引き起こします。尿毒症になると発作や心停止などの重篤な症状が発現するため、最悪の場合は死に至ります。

[結石のできる原因]
尿路結石の形成に関与しているものとして、細菌感染による尿pHの上昇、食餌や水分に含まれるミネラルの過剰摂取、冬場による飲水量の低下、遺伝的体質など様々な要因が挙げられます。これらの問題は専用の療法食により解決できる場合もあるため、予防には食事療法が効果的です。

[診断と予防]
尿管閉塞の診断には超音波検査やレントゲン検査が有効ですが、普段から尿検査や問診などにより結石ができやすい状態なのか把握しておくことが大切です。飲水量や排尿回数の変化など気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
獣医師 生田麟
トリマー通信
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