獣医師コラム
【レプトスピラ感染症について】
レプトスピラ感染症は、レプトスピラ属という細菌によって引き起こされる感染症で、犬だけでなく人にも感染する「人獣共通感染症」です。
感染源となるのは主にネズミなどのげっ歯類や野生動物で、感染した動物は腎臓に菌を保有し、尿中へ排泄します。その尿で汚染された河川・池・水たまり・湿地・土壌などに接触することで感染します。また、傷口や口・鼻・目などの粘膜からも感染するため、アウトドアによく行く犬は特に注意が必要です。
症状
発熱・食欲不振・嘔吐・下痢などが認められ、重症化すると黄疸・血尿・腎不全・肝不全が認められ、数日で命を落とすこともある危険な病気です。
診断
レプトスピラ症は症状だけでは他の病気との区別が難しいため、血液検査・尿検査・PCR検査・体検査などを組み合わせて診断します。
治療
治療の中心は**抗菌薬(抗生剤)**です。また、腎臓・肝臓のサポートをおこなう為の点滴治療を必要に応じて入院下で行います。早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。
予防
最も有効な予防法はワクチン接種です。
一般的なワクチンである5種や6種ワクチンにはレプトスピラ症は含まれていない為、当院では山や川へ行く機会がある犬では、8種混合ワクチン(6種+レプトスピラ2種)または10種混合ワクチン(6種+レプトスピラ4種)の接種をおすすめしています。
また、ネズミの多い場所を避ける、川や水たまりの水を飲ませない、台風や豪雨の後の散歩は注意することも重要な予防になります。
レプトスピラ症は感染した犬の尿や、尿で汚染された環境に触れることで人にも感染する可能性がある為注意が必要です。
「川遊びのあと元気がない」「急に食欲が落ちた」「発熱している」などの症状が見られた場合は、早めに当院へご相談ください。
獣医師 小坂 由紀